猟期2年目終了! 振り返り、成果、去年からの工夫、失敗談
【第21回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
■罠作りについて(※くくり罠)
<1年目はどうだった?>
インターネットを駆使して、見よう見まねで作ってみました。作った当時はわかりませんでしたが、結論から言うとバネが短くワイヤーが閉まる速度が遅くなってしまったことと、踏み抜き筒が小さかったことから、見立てや見切りが未熟な私には獲物を効率よく捕らえることができませんでした。特にバネが短かったのが致命的で、「空はじき」(罠が作動していても、獲物に逃げられてしまった状態)ばかりでした。そして猟期が始まるぎりぎりに罠が完成した為、罠を作っても特に匂い消しなどができなかったです。犬より嗅覚が鋭いと言われているイノシシ相手には愚策でしたね……。ちなみに師匠曰く、イノシシは用心深い生き物なので、一度「空はじき」してしまったら、数か月はそのけもの道を通らないそうですよ。
<2年目の改善点>
師匠の使っている罠や既製品の罠を分解して、考察。良いところを真似たりしながら改良を加えました。具体的にはバネを長く、踏み抜き筒を大きいものに変更。なるべく猟期が始まる1ヵ月前には完成させるようにして、猟期が始まるまでは雨ざらしにしてしっかり匂い抜きをしました。「空はじき」は圧倒的に減り、捕獲率は格段に上がったように感じます!
※詳しい作り方はYouTubeチャンネル【Nozomi’s狩チャンネル】の動画をご覧ください。
リンク:https://www.youtube.com/watch?v=-hq6Jpidu6I&t=459s
★罠作りポイント★
●他の人の罠のいいところをどんどん真似よう! 周りに罠をやる人が居なければ、既製品を買って研究するのもあり。今どきはインターネットでたくさんの種類があります。
くくり罠の研究は誤作動を起こして怪我したりするので気を付けてくださいね(特に引きバネ式は……本当に……気を付けてね……(経験あり))。
●罠を作ったり、買ったりしたら、2週間から4週間は雨ざらしにして臭いを消そう。煮込む人もいます(匂い消しをしない人も、しても変わらないよっていう人も、もちろん居ます。でも大した手間でもないし、するに越したことは無い)。
■解体について
<1年目はどうだった?>
まだ罠猟を始めて間もないころは師匠にも出会っていなかったので、茨城県の主催するスキルアップセミナーに積極的に参加したり、YouTubeや本で勉強していました。解体だけは、実際にやってみるしか上達の術はないと思います。私の場合、事前に動画や本で得た知識ははじめての実践では何一つ役に立ちませんでしたね……。
はじめて私が解体した獲物は、すでに絶命していたので血抜きができていなかった上に、10時間以上かけての解体、精肉でした。吊るし台も無かったので、軽トラの上にブルーシートを敷いて、その上での解体です。血は緑色に変色し、すごいにおいを発していて倒れそうになりながら解体しました。(※連載第8回『はじめての解体。私が解体をする理由』参照)。関節を外すのにも小一時間かかり、ナイフで外すのを諦めて斧やナタ、のこぎりを使って無理やり関節を外し、最後はどこの部位かもわからないほどにぐちゃぐちゃになってしまいました。それでも自分が初めて捕った獲物はしっかり解体して食べました。お肉としての品質は置いといて、忘れられない味になりましたね。
ちなみに、皆さん、経験上、血抜きができなかった個体や、すでに絶命してしまった個体は食べるのはお勧めしません。血抜きによる臭いや肉としての品質の違いを学ぶには良いかもしれませんが……。
<2年目の改善点>
積極的に上手な人の解体を見させてもらったり、師匠を見つけて教えてもらったりしました。また、解体方法に捕らわれず、丸一日かけて観察・勉強しながら解体してみたりもしました。解体のやり方も人それぞれです。師匠と私とでも微妙にやり方が違います。私は力があまりないので吊るし台を作り「吊るし」で解体しています。(※解体の種類に関しては第9回『解体について。その種類やリスク管理』参照)。結論、まだまだ未熟ですが、今は2時間あれば解体はしっかり一人できるようになりました! 今では関節も(筋の構造を理解すれば)2分くらいで外せるようになりました。個人的な感想ですが、動画や本などの勉強ツールは、数頭じっくり自分で捌いてから活きてくるのではないでしょうか。目下の課題は《無駄なく、丁寧に、そして早く、しっかり脂肪を残しつつ》できるようになる事……です! はやく私の師匠みたいにできるようになりたいです! しかし、解体の練習をするのにもまずは獲らなければ始まりません。その辺の兼ね合いが難しいところですよね……(;´・ω・)
★解体ポイント★
●獲物が取れたら、じっくり獲物と向き合ってみよう。骨格、筋肉、筋、関節の仕組み、臓器……ひとつ、ひとつ確認しながらやっていくのが一番の近道かも!?
●実践あるのみ! オス、メス、成獣、こども、脂肪がのっているか、のっていないかでも全く変わってくるのでたくさん捕れることを祈ります!
●やり方は人それぞれ千差万別です。正解、不正解は他人が決める事でなく“貴方”のやりやすい形が正解!